「となりのトトロ」が長く愛される3つの理由

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■便利で快適な生活にはなったけれど・・・

先日、金曜ロードショーで「となりのトトロ」が放送されており、
家事をしながらところどころ見ていました。

子供たちが幼い頃、何百回と繰り返し見ていた思い出の「トトロ」
私もつられて何度も見た懐かしいアニメですが、
何度見てもやっぱり、「ほっとするなあ~~・・・」と思う大人は私だけではないはず。

昭和30年代前半の古き良き時代。
50代以上の大人にとっては懐かしさもあり、
20代~40代の大人にとってはある種の憧れでしょうか。

サツキとメイの姉妹が、子供にしか見えない「トトロ」や「ネコバス」に出会うという
ファンタジーのお話ですが、
たとえば15年前に見た印象と、平成28年に見る印象とでは、
また違うものがあるなあ、と気がつきました。

15年の間に生活はさらに便利になり、通信機器や家電品の進化はめざましいばかり。
携帯はガラケーに代わってスマートフォンが普及し、
お掃除ロボットが自動で部屋中をグルグル回って掃除してくれる現代。

トイレに入るとセンサーが感知して、
便器のふたがおもむろに開くのを初めて外出先で体験した時、
「あっ、どうも」
と思わず声が出てしまった(笑)

エアコンに至っては部屋にいる人の温度までセンサーが見つめて送風するという、
まさに至れり尽くせりな製品が登場。

「そ、そこまでしていただかなくても・・・」
アナログな私などは、めざましい進化に感心すると同時に正直戸惑いも。

家に電話がなくて、お父さんに連絡をとるためによそのお家で電話を借りるサツキ。
それも今のようなプッシュホンではなく、普及して間もない頃の旧型の電話機。
しかも交換手を通してかけています。

電話が自宅にないなどと、現代っ子には考えも及びません。

「お父さん遅いね・・・傘持ってるかな」
お父さんを心配して雨の中、バス停まで歩くサツキとメイ。

今ならメールやLINEで「今どこ?」「傘持ってる?」で済んでしまう話。

さらに、バス停でバスを待ちながらサツキがしていたのはなんと、あやとり。
今ならまず間違いなく、スマホでしょう。

何もかもが便利になった現代。
便利さと引き換えに失ったもの。
それらがたくさん詰まった「トトロ」が、見る人を惹きつけているようです。

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■「トトロ」を何度も見たくなる3つの理由

1988年の公開時には「火垂るの墓」と2本立てで上映されましたが、
人気はイマイチでした。

ところがTVで繰り返し放送される内、人気は確実になり、
過去14回を超える放送では、合計視聴率がダントツの1位だとか。

公開から28年といえば、当時の子供が親となり、わが子に「トトロ」を見せるようになる年月。
そして親だった世代は、幼かったわが子達が真剣に「トトロ」に見入る横顔を思い出し、
年頃になって頭の上から見下されるようになった現在に、時の流れを実感する・・・
そんなふうに世代から世代へと受け継がれ、長く支持されているようです。

劇的なストーリー展開があるわけではないけれど、
トトロやネコバス、まっくろクロスケなど、登場するキャラクター達は想像力豊か。

「もしかしたらどこかにいるかもしれない、ひょっとしたら会えるかも・・・」

子供だけではなく、かつて子供だった大人にもそんな期待を抱かせるような、
ふとした闇の中を、森や林の中に目をこらして探してみたくなるような、
そんなワクワクを与えてくれます。

そして、人々の気持ちが大らかなこと。

「お父さん、この家やっぱり何かいる!」
引っ越ししてきた家をサツキにそう言われ、

「そりゃあすごい!お化け屋敷に住むのがお父さんの夢だったんだ!」
と、超ポジティブな一言。

「何バカなこと言ってんの!さっさとやってよ~!」
・・・・ああ、自分ならこの程度だろうなあと、ある意味へこんだりもしますが。

トトロの存在を頭から否定せず、子供の気持ちを傷つけないように受け止めてあげるお父さん。

「メイがお世話になりました!」
そう言って大きな樫の木に深々とお辞儀をする、何とも素敵なお父さん。
子供への接し方のお手本を見るようです。

寂しくてサツキの学校まで来てしまったメイを、
当たり前に教室に受け入れてあげる担任の先生。

実の孫以上に姉妹を気にかけ、見守ってくれるおばあちゃん。
行方不明になったメイが無事に発見され、涙涙でメイに頬ずりするラストシーンにじ~ん・・・

最後に、古き良き時代への懐かしさと憧れ。

現代から見ると不便この上ない生活は、
便利過ぎる今の時代からは、もう戻ることのない生活。

描かれる人々の素朴な温かさは、
何か忘れ物をしてきたような、見る人にどこか切ない思いを抱かせます。

1. 何度も見たくなるような、子供心をガッチリつかむ想像力豊かなキャラクター達

2. 大人も引き込まれる魅力や、気付かされることが散りばめられている

3. 古き良き時代への懐かしさと憧れ

不思議と飽きずに何度も見てしまうのは、そんな理由が隠されているからではないでしょうか。

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■あなたの「トトロ」お気に入り名場面は?

「キュウリの丸かじりがした~い!」

わが子が幼い頃、なんでそんなこと言うのかと思ったら、
「だってメイちゃんがおいしそうに食べてたから~」

おばあちゃんの畑で、採れたての丸々したキュウリを丸かじりしていたシーン。
改めて見ていると、本当においしそうに頬張っていて、
「なるほど~」と納得。

引っ越してきて間がないのに朝食の支度をし、3人分のお弁当の用意をするサツキ。
小学生とは思えない手際の良さに、主婦歴20数年の自分はただただ感心。

コンビニなどない時代、ちょっとそこまでおにぎり買いに、というわけにもいかず、
自炊で作るしかないとはいえ、実にしっかり者のお姉ちゃんです。

が、そこはやっぱり小学生。
「お母さんが死んじゃうんじゃないか」と心配でたまらなくなって、
おばあちゃんの目の前で気丈な表情がみるみる内に泣き崩れていく。

しっかり者の表情とのギャップが、見る人の胸を打ちます。

車の後ろの座席で二人。
サントラ盤のCDをいつも聴きながら、
「ここは~~のところ、ここは~~してるところ」
と、全て暗記していたわが子達。

まっくろクロスケをメイちゃんが両手でパチン!!とする場面の音楽に見事に合わせ、
二人でパチン!!としていたあの日。

今でも「トトロ」を見ると、
幼かった頃の笑い声が聞こえてくるようで・・・
そんな大切な思い出がたくさん詰まった「トトロ」は、
やっぱり何度でも見たくなるのです。

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■便利になった生活をちょっと横において

電子レンジに頼らずに食事を作ってみる。
TVを消して過ごしてみる。
スマホやパソコンをオフにしてみる。

便利になった分、なんだかちょっぴり気ぜわしくなった日常。

どこへ行っても電話が追いかけてくるようで、
TVドラマの中で着信音が鳴ると、
「あっ、電話!」と思ってしまうこと、ありませんか?

そんな日常からから離れ、1日だけ過ごしてみるのはどうでしょう。
人里離れた、周りにはお店一軒ないコテージで。

ポケモンGOではなく、トトロを探していたメイとサツキのように。

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