大安の日に飛び立つツバメ達。来年またおいで。
都会で働いていた20代の頃、
仕事の合間の息抜きというか楽しみは何だったかなと、
ふと考えました。
会社の外に出た時に、ビルの谷間にのぞく空だったり、
頬をなでてゆく風だったり。
人や車の多い都会は、空が狭かったことだけが印象に残っています。
この三保高原で働くようになって20年余り。
標高430mの高原では、山道からの四季の風景や花々、小鳥やセミの鳴き声に囲まれ、
それが当たり前になって気がつきにくいのですが、この上もない癒やしになっています。
春から初夏にかけてのこの季節の楽しみは、子育てにいそしむツバメ達。
フロントや事務所のある本館にいくつも巣を作ったり、空き家をリサイクルしたり。
巣作りの泥がうまく固まらなかったのか、
残念ながらヒナごと巣が落ちてしまったりしていた中で、
ロビーのガラス越しに見える巣で、
親鳥たちがせっせと子育てしているのを、ずっと見守ってきました。
巣作りを終えたツバメがじっと卵をあたため、ヒナが返り、
1日1日大きくなって丸々としていく間、1日に何百回とエサを運び、
懸命に子育てする姿は、人間サマもお手本にしたいものだと感じました。
そして昨日、巣からこぼれ落ちそうに大きくなった5羽のヒナ達は巣立ち、
もう巣に戻ってくることはありませんでした。
からっぽになった巣を見上げては、
巣の下に敷いていたフン受けのダンボールを黙々と片付けつつ、
無事に巣立った安堵と少しの寂しさが。
人に聞いて初めて知ったのですが、
ツバメは大安の日に飛び立つのだとか。
昨日巣立ったという話をすると、「えええ!昨日、大安ですよ~!」
偶然なのでしょうけど、不思議なものですね~。
旅を続けるツバメの平均寿命は1年半。
一生の間に渡りができるのは2~3回だといいます。
帰巣本能が高いことから、同じつがいが同じ巣に戻ってきている可能性もあるとか。
カラスやヘビなどの天敵から身を守るため、人が住む環境に営巣する習性はよく知られています。
人の出入りが多いところに営巣することから、商売繁盛の印でもあるそうです。
ツバメのご利益?に支えられ、ロマンツェの今日があるのかもしれません。
来年の春、ツバメが再び戻ってくる時、1年が巡ったのだと知るのでしょう。
「時の流れを告げる鳥」
ツバメには、そんな別名がよく似合うような気がしています。
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