サムライブルーが教えてくれた、ベスト8以上に大切なこと

【お見舞い】
7月の西日本豪雨で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
元の生活に1日でも早く戻れますよう、お祈りしております。
当施設は幸いにも大きな被害はなく、通常通りの営業をしています。
ご心配下さった皆様、お心遣いをありがとうございました。

■応援せずにはいられない何かがある

サッカーワールドカップ2018ロシア大会が終わり、やってきた酷暑。。。
日本列島は連日、サウナ状態になっています。
気温40度超えの地域もある中、35度と聞いても「お、ちょっと涼しいかな」と思うようになってしまいました。
せめて35度未満ぐらいで勘弁してほしいなあ~。

さて、フランスの20年ぶりの優勝で閉幕したワールドカップは、
日本代表チームは褒められたり酷評されたり、また褒められたりと、めまぐるしい評判の中、
ベスト16進出で日本全国を熱狂させてくれました。

グループリーグの3試合と、決勝トーナメント1試合の計4試合。
深夜から早朝にかけてのTV中継にもかかわらず、にわかサッカーファン達も参加して大いに盛り上がったのは、その高い視聴率が物語っていました。

ハーフタイムになると水道の使用量が一気にアップ、試合終了後にはさらにアップするため、日本各地の水道局はそれを見越して水量の調整をしたそうです。
トイレを我慢して試合を見届け、一気にトイレへ駆け込む人がそれだけ多かったということですね。

かくいう自分も、にわかサッカーファンの1人。
日本代表がワールドカップに初出場した1998年フランス大会から、欠かさず応援してきました。
普段、Jリーグの試合も見ないのに、なぜワールドカップだけは深夜でも見るのか。
試合に勝ったら歓喜し、負けたら落ち込む。
なぜわが事のように一喜一憂するのか。

そこには、国際親善試合ではない、一発勝負で世界の強豪国と戦えるまたとないチャンスにかける日本代表選手たちの頑張りを、応援せずにはいられない「何か」がある。
つまり私達は、「日本を代表して頑張っている人達が好き」なのではないでしょうか。

■人々を魅了した4試合

対コロンビア戦
前半開始直後に相手のファウルで退場者を出し、PKで先制したラッキーな展開に。
後半追いつかれても1点追加して勝ち越して勝利。
以前の代表チームは、同点に追いつかれるとそのまま悪いムードをズルズルと引きずってしまうことが多かったのですが、この試合ではワンランクアップの成長を見せてくれた気がしました。
前回ブラジル大会で叩きのめされた「借り」を、コロンビアに見事返してくれましたね。
南米の強豪にも果敢に挑み、期待されていなかった前評判をはね返してくれました。

対セネガル戦
2-2の同点で終わったものの、その内容は今大会の4試合の中でひときわ素晴らしかった。
2回も同点に追いついたという強さは、これまでのワールドカップでの日本にはなかったものでした。
屈強な選手がそろい、フィジカルでは不利と思われてきましたが、日本には根性がありました。
「勤勉なチームらしいプレー」「サムライは諦めなかった」などなど、
海外メディアも、その誠実で粘り強い勤勉プレーに魅せられたゲームでした。

対ポーランド戦
引き分け以上で決勝トーナメントに進めるという中、0-1でリードされ、試合終了間際のボール回しが今度は批判されることに。
他会場のコロンビア対セネガルの試合結果にチャンスを賭け、それが他力本願と揶揄されました。
紙一重の賭けを一瞬で決断した西野監督。
勝負して進みたかった選手達も「本意ではない」としながらも、監督の決断に従い、結果的にそれが吉と出ました。
トーナメント方式の勝ち点順というワールドカップのルールにのっとって得た勝利。
「やったー!」という勝利と、ちょっとモヤモヤした勝利と。
「勝負の世界では当たり前のこと」という意見が印象的でした。

対ベルギー戦
悲願のベスト8を目指して挑んだベルギー戦。
後半早くに立て続けに2点リードした日本の片手に、すでにベスト8をつかんだと誰もが思ったでしょう。
リードされて火がついたベルギーに同点にされ、そしてあの場面はやってきました。
後半終了間際、延長戦かと思われた一瞬をついてのカウンター攻撃で勝ち越されてしまった日本。
「ああああ~~・・・」
その瞬間はTVを正視できず、目を半分覆ってしまった人がどれほどいたことか。
一番悔しかったのは当の選手たち。
それでも結果として受け止めるしかない。また歩き出すしかない。
あの悔し涙は、人々の心にそんな思いを残したのではと思います。

■ワールドカップこぼれ話

いつしか「サムライブルー」と呼ばれるようになった代表チームの青いユニフォーム。
正確には藍色なのですが、これが「勝ち色」とされる由来は本当に侍からきているのを知って驚きました。

戦国時代、武将たちが戦の前、鎧の下に着たのが藍色の着衣。
なぜ藍色が勝ち色なのか?
布をたたく染色作業を「褐つ」ということから、「勝つ」にかけて縁起の良い色とされるようになったとか。

代表ユニフォームの前面に白い点線のような模様があったのを覚えていますか?
あれは日本伝統の刺し子柄で、刺し子は生地を強くする ⇒ 転じて日本を強くする、という願いが込められたのだそうです。
まさに日本ならではの細やかな心遣いですね~。

そしてもうひとつの「日本ならでは」なことは、海外の人々から絶賛されたサポーターの皆さんの試合後のゴミ拾い!
きれい好きな農耕民族のDNAでしょうか、まさに海外に誇れる「来た時よりも美しく」という日本の美徳。
対戦したセネガルのサポーターもそれを真似してゴミ拾いの輪が広がったといいます。
決勝トーナメントでベルギーに逆転負けした後も、がっくりしながら変わらずゴミ拾いをしていた皆さんの姿は、代表選手にとっても誇らしかったそうです。

■サッカー選手が教えてくれること

プロのスポーツ選手が自身を通して見せてくれるのは、スポーツをする姿だけではないのだと、このロシア大会で教えられたような気がします。

ひとつは、吉田麻也選手のツイート。
ミスの続いたキーパーの川島選手への非難に対し、ミスをした者をたたきのめす風潮に苦言を呈していました。
「子どもらに本当に見てほしいのは、
チームスポーツで仲間が苦しんでいる時、いかに助け合えるか。
そして1人の選手が批判や重圧から逃げずに立ち向かう姿勢。
そこになぜ、日本人で唯一欧州でGKとしてプレーできているかが隠されている」

もうひとつは、原口元気選手。
重い心臓病の少年の憧れの選手だった原口選手は、手術の渡米費用を集めていることをTwitterでファンから教えられ、何か自分にできないかと、募金活動を世の中に広めました。
少年が入院する病院にサプライズで現れ、手術前の少年を勇気づけたといいます。

医師のように治療や手術はできないけれど、スポーツ選手は人に生きる力を与えてくれる仕事なのだと気づかされます。
現役でいられる短い年月、前を向くきっかけを与えてくれる仕事なのですね。

ひたむきに、おごらず謙虚に、一歩一歩、相手に敬意を払いながら、決して諦めず。

サムライブルーの「ハンパない!」活躍に一喜一憂した幸せな約1ヶ月間。
本当に惜しくもベスト8には届かなかったけれど、それ以上の大切なものをもらったような気がします。
多くの人々の心に刻まれたサムライブルーの背番号たち。

帰国後、空港で今の気持ちをリポーターに聞かれて本田選手が一言。
「非常に・・・なんというか、きよきよしいですね」

・・・・・すがすがしい(清々しい)、と言いたかったのね。
「いやあ~、お恥ずかしい。漢字は苦手で。でも、もうしっかり覚えました!」と後でツイートしていた本田選手。
最後まで潔くてすがすがしいサムライブルーなのでした。

■ワールドカップの後は、夏休みをどう過ごす?
⇒ https://romanzelog.info/loghouse/


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