一度は見たい。日本遺産・旧閑谷学校の一対の楷の木。

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初めてその紅葉を目にしたのは、子供たちがまだ小さかった頃。
堂々とした講堂と並ぶ、赤と黄色に見事に色づいた2本の楷の木。

「うわ~、真っ赤と黄色じゃ~!」

紅葉で有名なこの楷の木をひと目見せたくて、小さな手を引いて出かけた思い出があります。

大きく枝を広げたその風情はどこか威厳すらあり、国宝に指定されている講堂を、
これ以上ないくらいに引き立てていました。

備前市にある旧閑谷学校の楷の木の紅葉は、5月が見頃の和気町藤公園と並んで、
毎年県内外から訪れる多くの観光客に人気を誇っています。

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■「閑谷学校」は日本で最初の庶民のための学校

武士の師弟が学ぶ学校はあっても、庶民の通える学校がなかった時代、
時の岡山藩主・池田光政が、家臣津田永忠に命じて1670年に創建したと言われています。

そもそもこの見事な一対の楷の木は大正時代、中国の孔子廊から種を採取して育成し、
その後、日本国内の孔子や儒学にゆかりのある学校に移植されました。

その内の2本の櫂の木が、この旧閑谷学校の木となっているそうです。

小さな苗木だった櫂の木は100年の時を超え、講堂にも劣らない枝ぶりに育ちました。

この一対の木々は、赤と黄色が必ずしも同時に紅葉するとは限らないのだとか。
一方が紅葉し始めなのに、一方は落葉が始まっていたり。

国宝の講堂の屋根瓦は備前焼。
その赤茶色も加わって、
澄み渡った秋空の青と、赤と黄色のコントラストが、
時を忘れさせるほど美しい・・・
三脚を立て、本格的に撮影する写真愛好家達の姿も。

ライトアップされる夜は、昼間とはまた表情を変えて幻想的な雰囲気が。

講堂では、論語を学ぶ「講堂学習」が今でも行われ、
教育研修の小学生を始め中学生、高校生が毎年多数訪れます。
一般の方でも、予約をすれば対応してくれるようです。(有料)

よく磨かれた講堂の板の間に円座を敷いて正座をして論語を学ぶ。
背筋がピンとなるような体験に違いありません。

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■日本遺産で秋を満喫

講堂の他にも正門である鶴鳴門、閑谷神社、資料館、石塀、津田永忠宅跡など、
史跡のほとんどが重要文化財になっている旧閑谷学校は、
「近世日本の教育遺産群」として、史跡足利学校跡などと共に、
平成27年に日本遺産に認定されました。

紅葉シーズンの秋には毎年イベントが行われ、
当館の5月の野外コンサートでおなじみの、
倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニーの皆さんの演奏も披露される予定です。

【イベントスケジュール】

■10月29日(土)日生甚九郎太鼓演奏 17:30~17:45(雨天中止)

■10月29日(土)オープニングセレモニー 18:00~

■11月3日(木)倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニーによる演奏 13:00~(雨天中止)

■10月29日(土)~11月6日(日) 旧閑谷学校ライトアップ 17:30~19:00

【入場料】大人400円
     65才以上200円
     小・中学生100円

学問の歴史が息づく備前市・旧閑谷学校へ。
赤や黄色の、1年に一度の自然の競演を鑑賞にお出かけ下さい。
当館からは車で約40分と、アクセスも便利。

■旧閑谷学校の見事な紅葉を見たい ⇒ http://shizutani.jp/


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