迷い犬が教えてくれた大切なこと。

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先月の終わり、夕暮れのグラウンド付近で保護した小さな犬は、
シルバーと茶色の混ざったような毛色の、
おとなしいヨークシャー・テリア。
屋外用の鎖を引きずったまま、トボトボと歩いていました。
(写真の犬ではありません)

首輪もしているし、鎖をつけたまま捨てるのはちょっと考えられない。
標高のある山の上なので、やっぱり山の集落の
住人の飼い犬が逃げて迷っているのでは・・・

そうかといって、日が暮れるとマイナス5℃ぐらいまで気温が下がる日もあり、
けっこう高齢のようだし、そのまま放置しておくわけにもいかず・・・
かといって、どこかにつないでおくわけにもいかず・・・

「何とかして~~」

まるでそう訴えるかのような力ない鳴き声を聞いていると、とてもおいて帰れず・・・
自宅へ連れて帰って一晩預かり、翌日に役場へ連れていこうということになり、
一晩だけわが家の住人になることに。

ゲージはうちの駄犬が使っているので、大きめのキャリーを玄関においての仮住まい。
私の上着についた匂いで「客人」を察知した駄犬は、
「誰だよ、あんた。なんだよ、あんた」
とばかりに、玄関に行って吠えまくります。

駄犬を離して腹ごしらえしたテリアちゃんは、
「ここは安心していられる場所のようだぞ」と、やっとひと息ついたのでしょう、
私の姿を見るとキャリーの中でカシャカシャと爪の音をたて、
寄っていくのを待っている様子を見せるようになりました。

トイレをさせるために駄犬と一緒に夜道を散歩。
突然現れた見知らぬ「客人」に、ライバル心むき出しの駄犬でしたが、
「ウ~~~ッ」とテリアちゃんに一喝され、ショボ~~ンとしていたのがおかしかった(笑)

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翌朝、出勤途中に役場へ寄り、テリアちゃんを引き渡し、
「おうちに帰れるといいね」と、後ろ髪引かれつつ、頭をなでて別れました。

あのテリアちゃんはどうしただろうか。
ちゃんと飼い主さんの元へ帰れただろうか。
・・・と気になっていたところ、
先日、グラウンド周辺をお父さんと子供さんにリードを引かれて
散歩するあのテリアちゃんを、一緒に保護したスタッフが見かけました。

ああ、よかった。
やっぱり山の集落に飼い主さんがいたんだ。
探してくれて、迎えにきてもらったんだ。 本当によかった。

そうして飼い主さんの元へ運良く帰れる犬は幸運ですが、
そうでない犬たちもたくさんいるのが現実。
逃げたり迷ったりしたら、どこの犬かわからなくなります。
口のきけない犬たちには、住所や飼い主の名前を他の人間に知らせるすべがありません。
首輪につける迷子札があれば、飼い主さんの元へ無事に帰れる犬たちがもっと増えるでしょう。

ツイッターで【迷い犬】のツイートをした後、
リツイートしてすぐに拡散して下った方々も、
きっと同じ思いでツイートを見て下さったのでしょうね。
ありがとうございました。

犬の一生も、人間と同じで一度きり。
大好きな飼い主さんの元で、幸せな人生・・・いや、犬生を送らせてあげたいものです。

(この記事は2015年2月に投稿したものです)


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