人工知能、スマートフォン・・・便利な時代だからこそ

■無人ホテルの余計な心配あれこれ

「お支払い方法を選択して下さい」
「お支払い金額は、三千、六百、八十、円、です」
「現金を、入れて下さい」
「ありがとうございました」

近所のスーパーでの自動精算機にもようやく慣れたきょうこの頃。

深刻な人手不足が叫ばれている日本。
特にサービス業は厳しさを増しています。

購入した商品をピッ、ピッと自分でバーコードを通すセルフレジを
他のお店で初めて見た時には、人手不足解消についにここまで来たかとビックリしたものです。

つい先日は、
「札幌市に北海道初の無人ホテルが開業」
というネットニュースを見つけました。
宿泊業なので、他のお宿の情報は気になるところです。

どういうシステムかというと、

1. WEB予約すると予約番号がメールで送られてくる
2. ビル2階にある「ホテル」のドアノブに予約番号を入力
3. 中に入るとフロント代わりにタブレットがあるので、さらに予約番号を入力
4. 予約時の名前、人数などが表示
5. クレジットカードで決済

ざっとこんな流れだそうですが、
一見して外からはホテルとはわからないようなビルの中にあるそうで、
なんだかホテルというよりは、メンバーズ共有宿とでもいうようなイメージです。

共有のリビングルームに、畳1畳分のベッドルームが12室で、
どこに寝るかは自由。
共同のシャワールームもあり。

ここまでは海外によくあるバックパッカーの宿ですが、
どうしても気になるのが無人であるという点です。

何かあれば入り口のタブレットでオペレーターにつながる、とはあるものの・・・

トラブルの時はどうするんだろう?宿直もいないなんて。
シャワーのお湯が出ない(これ、意外と多いです)
隣室の人がうるさい(これもありがち)
怪我人、病人が出た(万が一ということがあります)
オーバーブッキングで部屋がない(あってはならない!)

・・・と、同じお宿ならではの心配事ばかりが先立ち、
よそ様ながら余計な心配をしてしまいました。

当然ながら料金は格安なので、
今のところ海外からの外国人観光客の利用がほとんどだということですが、
自分がお客さんになったつもりで想像してみると・・・

うーん、タブレットがフロントか・・・
ピッピッとボタンを押してチェックイン。
「いらっしゃいませ」の機械音メッセージ。

この無人ホテルだけでなく、
フロントスタッフの代わりに自動精算機が接客するホテルがすでにあるそうなので、
それが違和感なく浸透していく日がいつかは来るのでしょうか。
そう、駅の切符売り場の販売機のように。

■アナログ経験がくれるもの

気がつけば、いつの間にか周りは自動の機械に囲まれています。
ジュースやタバコの自動販売機、駅の自動改札、映画館、レンタルビデオ店。

ある人気洋菓子店では、トレイに載せた10種類のケーキを、
約3秒でカメラが認識する「ベーカリースキャン」なる人工知能を導入しているというから、さらにビックリ。

「機械やAIに任せられる部分は任せて、あとは人ができるサービスを極める」
という経営者の談話が時代を物語っています。

今では自販機やコンビニなどで買うのが当たり前になったタバコも、
昔は小さな窓のタバコ屋さんでおばあちゃんがうつらうつらしながら店番をしている、
というのが主流でした。
タバコ屋さんとおばあちゃんって、ワンセットでしたね。

「ハイライト5個買ってきて」
若い頃は喫煙していた父にお使いを頼まれ、近所のタバコ屋さんに買いに行っていた小学生の頃。
おつりでガムやラムネを買って帰るのが楽しみな、大らかな時代でした。
今だと年齢確認で引っかかって、明らかに売ってもらえませんね。

車に乗ればカーナビやスマートフォンが道案内してくれる。
カーナビも設定しますが、大きな地図を常に車に載せているアナログ派です。
大きな地図は、迷った時に広げて現在地を知るのに便利なので。

車での旅行ではカーナビやスマートフォンが確かに頼りにはなります。
わざわざ見知らぬ人に道を尋ねなくても、目的地まで行けるようになりました。
そのせいもあってか、人との会話があらゆるところで減ってしまいました。

せっかくの機会ですから、車を停めて町行く人に道を尋ねてみるのも旅の醍醐味。

「どこへ行きなさるん?」
シワシワの顔で、土地の言葉でやさしく聞いてくれた、農作業していたおじいさん。

「ありがとう」の言葉に、親指を立てる「いいね!」ポーズで得意げに応えてくれたお兄さん。

旅先では素晴らしい景色やおいしい食べ物よりも、
そんななんでもない思い出の方が、何年経ってもはるかに心に残っています。

そんななんでもない人とのふれあいを、大人だけじゃなく子供たちにも経験させてあげられるまたとないチャンス!
便利な機器を活用しつつ、思い切って人の助けも借りてみては?

AIとは無縁の、どちらかというとアナログな高原の宿ロマンツェでは、
生身のスタッフがお迎えしています。

チェックインの時に、お父さんやお母さんの隣で待っている子供たちに話しかけてみるのが、
スタッフの楽しみでもあります。

「きょうはどこへ行ってきたの?」
「何が楽しかった?」
「春休みが終わったら今度何年生?」

元気いっぱいに答えてくれる子。
はにかんでお母さんの後ろに隠れてしまう子。
待ってましたとばかりに、次々とお話してくれる子。

なんでもない会話はきっと、小さいながらも旅の楽しい思い出のほんの一部になってくれることを願って。

春休みやGWの予定を立てる季節になりました。
何年経っても心に残っているような、そんな思い出がたくさん生まれますように。

■春休み、GW。ハプニングもいつかは懐かしい思い出に。
⇒「お客様の声・春」https://romanzelog.info/koe/


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