「ダメだ!」よりちょっぴりソフトな岡山弁「おえん!」
【おもしろ岡山弁】おえん!
県外出身でも20年以上も岡山に住んでいると、岡山弁が時々ポロッと出ることがあります。
何か探しものをしていて、「あ、ここにあるがん」(ここにあった)
夕飯の献立を考える時、「そうじゃな~、何にしようかな~」
台風の後の庭の様子を見て、「ありゃー、でーれーことになっとる!」(えらいことになってる)
でも、たいていは独り言。
誰かと対面で話をするときに使う勇気?はなく・・・
そんな岡山弁の紹介は今回は「おえん!」・・・関西弁の「あかん」に当たります。
意味は「ダメだ!」なのですが、不思議とこの「おえん!」は、「ダメだ!」ほど強くない印象があります。
「ダメだ!」→100%不可、どうにもならない、キッパリしている、冷たい感じ。
「おえん!」→ダメなんだろうけどお願いしたら、もしかしたら、
ひょっとしてどうにかしてくれるかもしれないというニュアンスがどことなくある。
しょうがない、弱ったなあという意味合いがちょっぴり含まれている。
・・・と、これは個人の勝手な解釈ですが、そんなふうに聞こえる気がします。
もともとは「手に負えない」が縮まった言葉で、
「そらー、おえんでー」(それはダメだよ)
「そらー、おえんがー」(同)
過去形は「おえなんだ」(ダメだった)
というように変化します。
もうちょっと上級になると言葉がだんだん濃くなり、
「そりゃー、おえまー」
と使います。
いやいや、初めてこの「おえまー」を聞いた時は本当にわからず、
相手にどう反応してよいのかわからなかったです。
岡山弁の変幻自在ぶりに、ただただ驚きました。
「テストどうだった?」
「全然おえんわ」(全然ダメだった)
「そんなんしたらおえんで」(したらいけません)
時代劇になると、「おえりゃあせんのう」(ダメだなあ)
・・・と変化するようです。
岡山育ちのわが子たちが「おえん」と口にするのを聞いたことがなく、
学校でもほとんど聞かないという話から、
「おえん」は割と年代の高い人達がよく使い、
若い世代は同義語の「いけん」の方が使いやすい傾向があるようです。
「これもう捨てていい?」
「いけん!まだ使うんじゃ」というように。
ふと、犬に「イケナイ」の代わりに「おえん!」を教えたら・・・
とイタズラ心が芽生えてしまい、愛犬で試してみることに。
ご飯が目の前。
「オスワリ、マテ」ときたら、次にくるのは「ヨシ!」のはず・・・
と目を輝かせる愛犬に、「おえん!」と一言。
「え!?・・・・・今の何?? ヨシじゃないの??」
複雑な表情でご飯と私を交互に見つめる愛犬の姿に思わず吹き出し、
やっぱり岡山弁は犬も私も修行?が必要だな~と思うのでした。
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